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鴻海(ホンハイ)精密工業がアメリカでシャープと共同して液晶パネル生産を検討

 【台北・宮崎泰宏】台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長は22日、傘下のシャープと共同で米国に液晶パネル工場を設ける検討に入ったことを明らかにした。提携先のソフトバンクグループの孫正義社長を通じて、トランプ米大統領に意向を伝えたという。投資額は8000億円規模。トランプ大統領が製造業の国内回帰を訴えていることを受け、市場規模が大きい米国での生産を検討する。

台北市内で鴻海が開いた春節(旧正月)前の社内忘年会で、記者団に明らかにした。郭氏は「(米国は)世界第2位のテレビ市場だが液晶パネルの工場がない。(仮に実現すれば関連事業も含めて)3万~5万人の雇用を見込める」と述べた。

一方、郭氏は昨年8月のシャープの子会社化について「非常に重要な決定で将来に向けて正しい戦略だった」と総括した。忘年会には鴻海グループの社員や家族ら約3万人が参加。シャープを創業した早川徳次氏の親族も招かれた。会場には8K液晶ディスプレーやロボット型携帯電話「ロボホン」などが並び、鴻海グループの副総裁でシャープの戴正呉社長が郭会長に一つ一つ紹介した。

うーん、近年の製造業は為替レートの影響をもろに受けますし、本当に何が起こるかわからない世の中ってところでしょうか。

肯定的な意見が多いようですが、今アメリカに工場を建てても、熟練された技術を持っている作業員がいなくて結局海外の人材に頼ることになるような気がしますけどね。

結果、関連事業も含めて3万人~5万人の雇用が見込めるそうですが本当にそれくらいならアッパレです。

それにしてもどれだけ金持っているんだよって話しですよ。

たしかに鴻海精密工業は台湾一の利益を誇る企業ですし、シャープを買収しちゃうくらいですがから、日本の企業では太刀打ちできないスケールなのかもしれませんが、人件費の高いアメリカに工場をたてるってもろもろ考えても黒字になるかどうか怪しいですし、博打打てるような資金があるってことですよね。

ホンハイがサービスを売っている会社として、アップル(iPhone)が有名ですがプレステやウィーにも部品が使われているみたいですからね。凄い会社です。

悲しいことに、こんな思い切ったことできる企業は今日本にはないでしょう。

日本人として、日本の製造業にもなんとかがんばってほしいですね。

トヨタ自動車がアメリカに100億ドル投資

 【デトロイト=有光裕】トヨタ自動車の豊田章男社長は9日、北米国際自動車ショーが開かれている米デトロイトで講演し、米国に今後5年間で100億ドル(約1兆1700億円)を投資する計画を明らかにした。

具体的な中身は明らかにしていない。

トランプ次期米大統領は同社がメキシコで予定している工場建設計画を批判している。トヨタは米国で雇用を増やす方針を打ち出し、矛先をかわしたい考えだ。

豊田社長は講演で、米国で約13万6000人を雇用していることや、約60年間に約220億ドル(約2兆5700億円)の投資を行ったことなども説明した。

トヨタがアメリカにびびって多額の投資を決定させたとのこと。
メキシコでの工場建設を批判していたトランプ氏。
世界の車の販売台数。トップは中国、次いでアメリカです。その次が日本です。
トヨタとしても大きな市場であるアメリカを敵に回すわけにはいかない。という考えなのでしょう。

しかしこの成果を見るだけでもトランプの凄さがよくわかりますよね。
本当かどうかもわからずただ口で言っただけで他国からお金を引き出すことに成功したわけです。
しかも金額が莫大ですからね。日本円にして約1兆1700億円、というのはもう庶民にはよくわからない数字です。
安倍首相に同じことをしろというのは少々酷ではありますが、見習うべき部分はあるのかもしれませんね。

庶民からしたらそんな金あるなら給料上げろ、とか車の値段安くしろ。と言いたくもなりますが、未来の市場を見据えての結果でしょう。
トヨタとしても正直日本国内の市場には将来性を感じていないというのは本音なのかもしれません。
今の日本の市場はタイタニック号みたいなものですから、見てくれは豪華ですが将来的には沈没が予想されます。
中国の市場を語るときにこのような揶揄をよく聞きますが日本は中国の心配をしている場合ではないでしょう。
トヨタの国内販売台数だけを見ても1990年前後をピークに減少傾向にあります。飽和状態にある国内の自動車市場は将来性がありません。
未来のことを語るなら自動運転やEVなどの新燃料についてをなくして語ることはできませんが、それらを加味しても。ということでしょう。

投資というのは合理的ではあるので闇雲に批判はできませんが、トヨタの内部留保を少しでも日本に還元してもらえたらありがたいですよね。
仮にも日本のトップ企業としての役割は果たしていただきたいです。

稲田防衛相の答弁問題

辻元清美氏の質問にうつむく稲田朋美防衛相=国会内で2016年9月30日午後2時54分、藤井太郎撮影
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野党が問題視する稲田氏発言
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質問の辻元氏「うろたえる大臣……国益を損ねている」
8月に入閣した稲田朋美防衛相を巡り、開会中の国会で、過去の発言と防衛省トップとしての言動の食い違いがクローズアップされている。発言の矛盾を問われ、答弁で涙ぐむ場面もあった。安全保障法制のもと、自衛隊は駆け付け警護など新たな活動領域に踏み込む。それを指揮するトップに不安の声が上がっている。【遠藤拓、三股智子】

野党は稲田氏に対し、9月30日の衆院予算委員会での辻元清美氏(民進党)による質問を皮切りに、日米安保や日本の核武装、尖閣諸島問題などを巡る過去の言葉を引用し、防衛相としての見解を繰り返しただしてきた。そのたびに稲田氏は政府の公式見解を述べ、過去の発言の修正に追われる印象を与えてきた。

「こうした人物に我が子を預ける親は、私に限らず不安だろう」。陸上自衛官の次男を持つ北海道千歳市の50代の女性は懸念を口にした。「自衛隊などについて防衛相になる前からさまざまな発言をしていたが、言うことがくるっと変わった。南スーダンの訪問予定も体調を理由にキャンセルし、批判されれば慌てて訪問する印象だ」と話した。

専門家はどう見るのか。

軍事評論家の前田哲男さんは「資質もないのに大臣となり、ボロが出たのだろう」と厳しく指摘した。「防衛相には憲法と日米安保体制に折り合いを付ける覚悟と見識が求められる。稲田氏は、そのどちらも持ち合わせていないようだ。そこが野党側に狙われた」と分析する。

一方、坂元一哉・大阪大大学院教授(国際政治学)は「日本独自の核保有を巡る発言は稲田氏が大臣になる前の発言だ。ここまで問題にするのはいかがなものか」と野党側の姿勢に疑問を呈し、「大臣になって間もない時期であり、まずは職務に専念してほしいと思う」と話した。

稲田氏が涙を浮かべたのは9月30日。辻元氏が8月15日(終戦の日)の全国戦没者追悼式を欠席した理由をただした時だ。稲田氏は海賊対処で自衛隊の駐留するアフリカ・ジブチを訪問中だった。

辻元氏は「涙を浮かべ、震えていた。矛盾を突かれ、答弁しようがなかったのだろう。うろたえる防衛大臣を世界各国はどう思うか。国益を損ねている」と指摘する。

一方、菅義偉官房長官は記者会見で「高い緊張感をもって職務を果たしている」と擁護した。

毎日新聞:http://mainichi.jp/articles/20161015/k00/00m/040/177000c

いーけないんだーいけないんだー せーんせーにいってやろー

稲田防衛相が答弁につまって涙を浮かべたというニュースです。
私はこの方のことを嫌っているわけでは決してないのですが、ジブチ訪問の時から、「なんか、浮かれてるなー」というか「脇が甘いんじゃないかなぁ。揚げ足取られなければいいけど」みたいなことを思っていました。

ジブチ訪問の際は、左派マスコミ各社から「稲田防衛相、非常に派手な格好でジブチ訪問。とてもけしからん」といった具合に批判されていました。
私がみた限りは、別に言われる程派手でもなんでもないと思ったのですが、なんといいますか、「大阪梅田に出来た伊勢丹を見に来たうちのおかん」みたいな感じだなぁとは思いました。ようするにちょっと浮かれてるというか観光気分が垣間見られるというか。

聞くところによれば、稲田朋美さんは結構な軍事オタクというか、軍事や防衛が好きな方だそうで、そうであるなら稲田さんが防衛大臣につくことができたのは、この方にとっての悲願だったのではないかと思います。

しかし防衛大臣が難儀する仕事と言えば、自衛隊と憲法とのすり合わせ、海外派遣した自衛隊と憲法9条との矛盾点についての答弁、他、「権力=悪」とするめんどくさい人たちや、「自衛隊や警察は暴力装置」などと称するめんどくさい人たちとのやりとりです。

昔からの夢だった職場についたものの、現実とのギャップに落胆している。そういう風に捉えられなくもないです。

ただなんにせよ、「かつての発言は私人としての発言です。公人である今とは意見が違います」
おそらくこの一言が言えればよかったのでしょうが、それが言えないというのは政治家としての資質に問題を感じざるをえません。

国会というのは、人の揚げ足を取ることに関してはトップクラスの方々が、日々討論を重ねる場所です。
一切の動揺を見せず、さわやかな笑顔でカラスは白と言えないようでは、追及の厳しい防衛大臣などは務まらないのではないでしょうか。