引きこもり問題

現在、日本には6カ月以上家族以外と交流せず、自宅にいる15歳から39歳の「ひきこもり」が約54万人いる。

こうした人が、社会参加できないまま年を取る「ひきこもりの長期化・高齢化」が社会問題になるなか、この状況に一石を投じているのが、元ひきこもり相談員である伊藤秀成さんの『ひきこもり・ニートが幸せになるたった一つの方法』(雷鳥社刊)だ。

「正社員として就労できるひきこもりは100人に1人」
「ひきこもりの経済的自立は無理ゲー」

こんな過激ともいえる主張を繰り返す伊藤さんに、その主張の背景にあるものを聞いた。

――本書では「ひきこもり・ニート支援の現実」について、伊藤さんご自身の体験を交えて書かれています。今の日本の、ひきこもり・ニート支援の方向性は、「正社員として就職し、経済的自立を目指す」というものですが、支援者として活動されていた伊藤さんの実感としては、これは難しいとお考えでしょうか。

伊藤:ひとことで言えば「無理ゲー」です。ニートは人と関わることはできるのでまだ可能性はあるのですが、ひきこもりはそれもできないのでどうにもならないというのが正直なところですね。

親御さんに経済的余力がないご家庭のひきこもりの方は既に生活保護を受けている方も多いですし、親御さんに経済力がある家庭の方も、良くて非正規で就労してすぐに辞めるというのを繰り返すのが精一杯な状況です。

じゃあ正社員になれる人はどれくらいいるのかというと、はっきり言って100人に1人いるかいないかです。だとしたら支援する側がそこだけを目指すのはどうなのか、という話になってくる。

――もっと多様な支援が必要だと。

伊藤:そうですね。安倍政権が「働き方改革」を打ち出していますが、前提となっているのは「賃金労働者として生きる」ことです。となると、そこから脱落してしまったひきこもりやニートはどうしていいかわからない。

最終的に「一億総活躍社会」を目指すのであれば、賃金労働者以外の生き方も積極的に認めていくべきだと思っています。

――伊藤さんは過去にひきこもり相談員として支援の現場にいらっしゃいました。先ほど「ひきこもりから正社員になれるのは100人に1人」ということをおっしゃっていましたが、在職中に正社員になれた方はどれくらいいたのでしょうか?

伊藤:3年2カ月相談員をやって、正社員になれたという例は1件だけです。やはり、現状正社員はかなりハードルが高いといえます。

――可能かどうかは別として、正社員になるためにどんなステップを踏んでいくのでしょうか。

伊藤:人に慣れてもらおうという目的で、ひきこもりの人同士を集めて交流させる場があるのですが、そこでの振る舞いを見ます。

正社員は無理でもアルバイトで働けそうな人は、とりあえずアルバイトをしてみましょうか、ということになりますし、それも無理そうなら障がい者制度を使ってみようか、という話になります。
――「交流の場に来る」ところから、「働く」までにはかなり隔たりがあります。

伊藤:まず、「交流の場に来る」というところで一定数がふるいにかけられるわけです。

来られた人はある程度意欲のある人のはずなのですが、それでも正規か非正規かを問わず「働く」となると、かなり人数は絞られますね。「交流の場」で停滞してしまう人はすごく多い。

――今、ひきこもりの長期化と高齢化が大きな問題となっています。平均10年以上というデータもありますね。

伊藤:僕が会った方で一番長い方は、50代の方で30年くらいでしたね。

でも、おそらく40年以上ひきこもって60歳を超えている方もいらっしゃるはずです。その年代になると、「独居老人」というくくりになって「ひきこもり」としてカウントしないから実態が見えないだけで。

――ひきこもっている方々の本音として、自分の将来についてどう考えているのでしょうか。

伊藤:そこは人によって本当にまちまちで、悲観的な人もいれば楽観的な人もいます。

「なんとかしないと」と思っている人がいる一方で、「生活保護を受けたいから早く親に死んでほしい」と考える人もいます。「楽してお金をもらえそうだから議員になりたい」という人もいました。楽なわけがないんですけどね。

印象に残っているのは「正直、将来のことは考えたくない」と言っていた20代の方です。中学に一度も登校せず、そこからずっとひきこもっている方なんですけど、どこかで自分の将来は絶望的だと気づいていたんだと思います。

ただ、こういう方は現実を見ているぶん、希望はあります。まずいのは「ファンタジーから抜け出せない人」です。

一度もサッカーをしたことがないのに、サッカー選手になりたいとか、日本代表の監督になれると言ってはサッカーの教本を読んでいる40歳くらいの男性に会った時は衝撃を受けました。「中二病」を中高年まで引きずってしまうと厄介なんです。

――そういう方も、「交流の場」に来るんですか?

伊藤:何度か来たのですが、あの場は「ひきこもりの人に現実を見せる場」でもあるんです。

だから、もとのひきこもりに戻ってしまいました。フットサルをやってもらったのですが、当然、自分がサッカー選手にはなれないという現実がわかってしまう。本人にとってその現実は見たくないものなんです。
(以下ブログに続く)

http://www.sinkan.jp/news/7207?page=1

ひきこもりがひきこもりを語ろうと思います。

今日の記事はひきこもりについて。ひきこもりが社会復帰するのはものすごく難しいという記事です。

お恥ずかしながら、私自身がひきこもりの状態にあります。病気で働けず、障がい者認定と生活保護を受けての引きこもりというケースです。ただこのケースは今回の記事であげられる「狭義のひきこもり」には該当しません。ただ、状況的にはあまり違いはないので「広義のひきこもり」には該当すると思います。

「ひきこもり」の基準と概念をはっきりと打ち出したのは精神科医の斎藤環さんです。
斎藤さんが「社会的ひきこもり」を著し、ひきこもりの概念をはっきりと書いた上で「ひきこもり300万人説」を打ち出したのは1998年頃。おそらくその数字は間違っていません。
記事には「日本のひきこもりは52万人」とありますが、この調査の一番の盲点は年齢です。15歳~39歳に対して調査した結果が52万人であって、もっと年齢層を広げれば、該当する人数はもっと多くなると思われます。

そもそもこの15歳(中学3年か高校1年)~39歳を対象に調査している理由なのですが、「40歳以上は青少年にあたらず、管轄外になるため」というのが理由です。これは調査をした厚生労働省の正式な回答です。

中年や老人にもひきこもりはいると考えられています。まず中年のひきこもりで考えられるのが、「若年層から抜け出せない場合」と「リストラが原因でのひきこもり」のケースです。もちろんそれ以外にもひきこもるケースは考えられますが、このふたつに該当するひきこもりというのはそれなりの数いると考えられます。
老人のひきこもりに関しては、「定年退職からのひきこもり」と「傷病からのひきこもり」が多くいると考えられます。

ひきこもりの問題を「社会に寄与しないから」という一点にしぼるなら、老人のひきこもりは考察から外してもよいと思いますが、「社会的孤立が招く各種の問題」にも触れるなら、老人も対象に入ると思われます。

以上のことを踏まえると、ひきこもり300万人というのもおおげさな数字ではなくなると思います。

ところで、2ちゃんねるで長期のひきこもりについてのスレッドを見ると、「安楽死施設を作って欲しい」という意見が、結構頻繁にみられ、その意見はおおよそ肯定的に受け取られます。
労働者になることよりも、現状を冷静に鑑みた結果、「自死」を選択する人は、おそらく結構な割合でいます。

ただ、自殺というのは勇気がいりますし、加えて成功率が低いので(10%程度と言われています)、そういった意味でも「安楽死施設」を要求する声が高いのでしょう。

私も、今までに13回程度自殺未遂に失敗しました。救急搬送や胃洗浄というのは各5回前後でしょうか。そんな人間が毎日毎日願ってやまないのは、当然ただの一つだけです。

はやく死にたい

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