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完全管理社会 中国

中国政府は、全市民に向けた評価システムの導入を検討している。その評価で全国民の人生と運命が決まるようになる。監視機関は職場とウェブでの行動をコントロールし、一定の数のポイントで中国人を与えることを予定している。ポイントは多いほど良い。英インデペンデント紙が報じた。

中国人は消費、借金、SNSでの行動の分野で評価されるようになる。新法の素案では、人々の行動のデータは「可能な場所ではあらゆるところで」考慮されるようになると書かれてある。

ランキングのための重要な指標となるのは、その人について雇用者が伝える情報だろう。また、低評価の市民には海外旅行や銀行でローンを組む許可が出されなくなる。例えば、低い評価を得た裁判官や役人は、仕事で昇進したり、巨大な政府機構で働けなくなる。

中国政府は、具体的にいつ新たな評価システムが制定されるんかは今のところ発表できないが、役人についてのシステムは2020年までに稼働する。

https://jp.sputniknews.com/asia/201610252939896/

幸福は義務です。市民、あなたは幸福ですか?

中国が国民全てにポイントをつけて、それをランキング化するという構想を発表しました。
マイナンバーカードで大騒ぎしている日本と違って、やることがデカいですね。一党独裁の強みはこういった部分にありますね。権力の腐敗は他の追随を許しませんけど。

ところでこういったディストピア社会、完全管理社会というのは、映画や小説でしばしば描かれるものですが(特にアメリカ)、ほとんどすべて批判的に描かれますよね。少なくとも私は、その社会が肯定的に描かれているのを見たことがありません。アメリカ人が「自由」というのをとても大事にする国民だからでしょうか。

『権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する』とはジョン=アクトンの言葉ですが、はっきり申し上げまして、中国の権力構造は腐敗しております。しかし、腐敗しながらも運営を続行できているんですから、その点は褒めるべきでしょう。
ただ、これまで様々な媒体で描かれてきた「完全管理社会」というのは、基本的に「完全な」何かが権力の中枢にあることが前提でした。
映画「マイノリティリポート」にせよ、米製TRPG「パラノイア」にせよ、ニトロプラスのADV「シュタインズ・ゲート」にせよ、やっぱり中央には完全な何かがいました。
では今の中国の中央はどうでしょうか。「完全」でしょうか。私の意見については上に書いた通りですので察してください。それからもう一つ。
完全管理社会というのは、おおよそ「その社会の構成員にとって、肯定的に受け入れられている」場合が多いです。つまりその中央が信頼されているということなのですが、正直なところ、今の中国人は、中国共産党のことをあまり信用していません。
中国人が中国人を愛する「民族主義」については、おそらく日本よりもその感情は強いのでしょうが、「強い民族主義」と「中国共産党についての信頼」は、あまりつながっていません。

こんな状態で完全管理主義社会を実現させようとしたら、どうなるでしょうか。もし上手くいくようなら、日本はそのメリットを丁寧に真似ればいいですし、盛大にコケるようなら、指さしながら笑えばいいんじゃないかと思います。所詮は対岸の火事です。

ところで個人的に、中国にはやってほしいことがあるんですよね。
アメリカなんかが宗教的な理由で二の足を踏んでいる人間のクローン研究とか、あれ中国の技術でなんとかなりませんか?おたくのところなら下らない人権思想に足を取られることもないと思うんですけど。
それだけではないんですが、独裁的な中国だからこそできることって、そこそこあると思うんですよね。