大阪府警の機動隊員による「土人」発言

◆「土人」発言は何が問題なのか 大阪で沖縄女性らが見せ物にされた人類館事件

大阪府警の機動隊員による「土人」発言が批判にさらされている。
本土側の沖縄蔑視、差別はこれまでもたびたび繰り返されてきた。

1903年には大阪で開かれた博覧会で、沖縄女性2人を「展示」した「人類館事件」があり、沖縄戦では日本兵による住民虐殺や「集団自決」(強制集団死)があった。
戦後71年たった現在でも、在日米軍専用施設面積の約74%が集中する。
識者は「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」と指摘している。

1903年、大阪で開かれた第5回内国勧業博覧会の会場で「7種の土人」として、朝鮮人や台湾先住民、沖縄県民らが見せ物として「展示」される「人類館事件」が起きた。
当時の沖縄では「沖縄人差別」として激しい非難と抗議が起きた。

事件から100年後の2003年に大阪で、事件をテーマにした戯曲「人類館」の公演を手掛けた、関西沖縄文庫主宰の金城馨さん=大阪府=(63)は「土人発言」について「特別な驚きはない。普段沖縄に対して思っていることが、表面化しただけ」と切り捨てた。
「大阪府警では日常的に沖縄に対する差別があるのではないか。府警の責任を追及すべきだ」と語気を強めた。

金城さんは1879年の琉球処分以降「歴史的に差別が続いている状態」とした上で「これから沖縄は本土と対等に向き合い、差別する側の意識を変えることが問題解決につながる」と話した。
差別の問題に取り組む師岡康子弁護士は「土人」「シナ人」の二つの発言について公的機関が「人種差別を助長しまたは扇動すること」を禁じた人種差別撤廃条約に違反すると指摘。
「弁明の余地はない。大阪府警は謝罪し、教育体制を洗い直す必要がある」と求める。

「シナ人」の表現は「レイシスト(差別主義者)が基地に反対するのは中国に操られた売国奴、と言うのと全く同じ発想。
基地に反対する沖縄の人々と中国の人々に対する二重の差別だ」と非難した。

(▼続きはリンク先の記事ソースでご覧ください)

沖縄タイムス 2016年10月20日(木)16時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161020-00067368-okinawat-oki

いつの話をしているのだね。いつの。

沖縄に出張で配備された大阪の機動隊員が、現地の活動家に対し「土人」と発言したことについての続報です。
左翼活動家や沖縄タイムスは、これを琉球処分(1872~79)や人類館事件(1903)以来、連綿と受け継がれてきた差別意識の表れだ。と主張したいようです。

無理があります。
琉球処分については高校時代に日本史をきっちり勉強してきた人なら知っていると思いますが、世界史専攻や、そもそも歴史を取らなかった人には馴染みが薄いです。
更に人類館事件については普通知りません。私は大学で人類学を専攻していましたのでたまたま知っていましたが、知ってる人はやはり少数でしょう。
人間は、知らないものを差別することなど出来ません。差別には「理由」が必要なのです。そして、差別する理由というのは往々に、中途半端な知識やいい加減な理解、あるいは宗教的(もしくは迷信的)な理由等から生まれます。

それからもう一つ。あまり知られていないことですが、歴史的に続く差別意識というのは、第二次世界大戦時に一度、大きく断絶しています。
その一つに「憑き物筋信仰」というものがあります。
憑き物筋信仰というのは日本全国の、おおよそ6割から7割程度の地域に幅広く見られる土着の信仰で、そこにはほとんど必ず「差別」が絡みます。
「信仰」という文字がついているものの、「憑き物筋」とされる家柄のものは、恐れられ、差別されます。
憑き物筋の家柄の人は、霊的な力を持っていると信仰される場合があり、祈祷やまじないを行う際に必要とされる場合があるのですが、それでも差別されます。結婚式や葬式、祭りや町内会の集まり等の際には、憑き物筋の人々は呼ばれません。村八分です。

上にあげたのは一例ですが、日本にはかつてそのような信仰と差別の体系がありました。ありましたが滅びました。その主な理由は「大戦の影響で働ける男性が減り、差別なんてしていられなくなったから」とされています。

もしかしたら大阪にもかつて、琉球人やアイヌ人を差別するような感情があったのかもしれません。
しかしそれは、第二次世界大戦の時におおかた洗い流されているでしょう。
出自による差別なんてのをしている余裕なんて、敗戦後にはありませんでしたから。

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